ブログ:和裁屋日記

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襦袢の種類(半襦袢について)

女性用半襦袢

半襦袢は裾除けと組み合わせて使います。上下に分かれているので丈の調節ができ、ワンピースの長襦袢の代用品として着やすいです。袖と身頃共に長襦袢用の生地で袷衣や単衣に作る場合と、普段着等として身頃を晒木綿やネルなどを使い場合もあります。また、衿のうち合わせをよくするために衽(竪衿)を付ける場合もあります。衿は広衿、バチ衿などがあり半衿を付けます。袖の形は袷衣の袖・単衣の袖・や広袖口であったり、きものの同様に袖口下を付けるもの、丸み(袂丸)の有無など様々な形があります。(後日紹介します)寸法は上着の丈が60cm程度で身長に合わせて調節し、その他の寸法は長襦袢の寸法と殆ど同じです。上着、裾除け共に長襦袢の生地で作る場合は、二部式(ツーピース)の長襦袢となります。

男性用半襦袢

男物半襦袢も女物半襦袢と同様に、長襦袢の代用品として着用でき、身丈は女物より長めです。女物と同様に袖・身頃共に袷衣や単衣があります。袖を別布にする場合、滑りのよい生地にした方がよいでしょう。袷衣袖は羽二重や縮緬、単衣袖では絽や紗化繊などで、身頃は晒木綿や麻、ネルなどがよいでしょう。衿は棒衿、袖は女物と違い、袖付けが長く詰め人形が付き、平袖口で角袖です。半襦袢の下には、ステテコや裾除けを着用します。(参考:(一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫)

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2025年12月12日 | カテゴリー : 襦袢 | 投稿者 : 和裁屋

襦袢の種類(肌襦袢について)

肌襦袢について

肌襦袢は素肌に着用し、汗や汚れを吸収する下着です。素材には肌触りがよい、通気性、吸湿性に優れ、選択にも便利な晒木綿やガーゼといった布が使用されます。単衣が多く、裾除けと一緒に着用します。男物と女物があり、その違いは、袖下明きと身八ッ口が有るか無いかです。

女物の肌襦袢の特徴

  • 身丈は53cm程度で身長に合わせて調節します。
  • 袖は筒袖で、袖口は広袖口
  • 袖丈は19cm位、袖幅は半幅使いとします。
  • 袖下明き、身八ッ口を付けます。
  • 脇に馬乗りを付けます。
  • 衿幅は2~3cm、繰越を2cm程度付けます。

男物肌襦袢の特徴

  • 身丈は60m程度で身長に合わせて調節します。
  • 袖は筒袖で、袖口は広袖口
  • 袖丈は25cm位、袖幅は半幅使いとします。
  • 脇に馬乗りを付けます。
  • 衿幅は3~4cm、繰越は付けません

裾除けは腰に巻き付けて使います。素材は滑りのよいベンベルグなどを使用し、腰布には晒木綿や新モスを使います。裾さばきをよくし、長襦袢の汚れを防ぐためにも使われます。(参考:(一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫)

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2025年12月5日 | カテゴリー : 襦袢 | 投稿者 : 和裁屋

襦袢ってな~に?

襦袢(じゅばん)は、古くは襯衣(しんい)といい、肌着のことです。語源はポルトガル語の「Gibão(ジバゥン)」で、昔の衣服の一種を指す言葉です。もともとはベスト(チョッキ)のように袖の無い上半身を包むものでしたが、江戸時代後半頃より、晴着には足のくるぶし上まである長い丈の「長襦袢」を、平常着には腰あたりまでの丈の「半襦袢」が用いられ、今に至ります。

長襦袢は柔らかくしわになりにくい生地が使用されています。以前は殆どが正絹(絹100%)でしたが、既製品では化繊も多く出回っています。化繊は安価ですが、冬場の空気が乾燥している時期は静電気が起こりやすく、ほこりが付きやすい傾向がありますので注意しましょう。

色合いは淡い色目を選び、きものとの調和を考えましょう。特に薄い色のきものの下に濃い色の長襦袢を着ると透けてしまう場合がありますので注意しましょう。

秋から春にかけての季節はきものが袷衣の季節なので長襦袢も袷衣を、それ以外の季節には単衣長襦袢を主に着ます。和服の衣替えは6月と10月ですが、昔と比べ、暑い季節が長くなり、あまり拘る必要がなくなってきているのも事実ですね。春や秋の中途半端な袷衣の季節は、胴抜き長襦袢とか、袖は半無双にしたりとか、単衣仕立てにしたりとか工夫します。盛夏には絽・羅・紗や麻などの長襦袢がよいでしょう。真夏の結婚式でも、単衣の留袖とか訪問着なんて持っている方は殆どいませんし、会場はクーラーが効いていますので、袷衣でもOKです。

襦袢は大変種類が多く、形の違いや地方によって、名称や作り方などに特徴があります。次回から、それらの説明をしてみたいと思います。(参考:(一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫)

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2025年11月28日 | カテゴリー : 襦袢 | 投稿者 : 和裁屋

袴について

一言で「袴」と言っても、いろんな袴があります。一般の方が多く着用されている袴として男袴、女性では卒業式で着られる女袴でしょうか。

男袴は大別すると「行燈袴:あんどんばかま」と「襠付袴:まちつきばかま=馬乗り袴)」です。畳んである状態では殆ど一緒ですが、行燈袴はスカートのような形で、襠付袴は股が付いていてキュロットスカートのような形です。


着用時、襠付袴は股が付いているのでお手洗いが少々不憫です。でも、一般的には襠付袴に対して行燈袴は式服としては少々略式とされています。

袴の特徴としては行燈袴も襠付き袴も同じで、

  • 前の襞(ひだ)が5で、後は1つです。
  • 前身頃には「笹:ささひだ」、後身頃には「投げ:なげ」が付きます。
  • 後身頃丈は紐下(前身頃丈)より長くします。
  • 裾では「切り上げ」が付きます。
  • 前身頃の紐は、少々カーブして付けます。
  • 前紐、後紐の幅は同寸です。後の腰板は厚紙を貼り合わせたものを使っています。

などが挙げられます。

他には襠付き袴で「仕舞袴:しまいばかま」があります。

能や狂言の中で舞うときに着用する袴で動作をしやすくするためや、舞う姿を美しくするために普通の襠付袴と比べていくつか違いがあります。

  • 一の襞(ひだ)が浅く内側を綴じ付ける。
  • 相引が低い
  • 襠高が高めである。
  • 後の腰板を木製のものにする

など、様々な流派によって寸法などに違いがあります。

女袴はもともと平安時代の紅袴(くれないはかま)で別名緋袴(ひのはかま)とも言い、神社の巫女さんが着用している朱地の袴のようなものでした。現在の形になったのは明治20年頃の華族女学校の制服として採用された行燈式のものがそのまま受け継がれています。その後、女生徒が着用する、ひだが多いセーラー服のスカートとなったそうです。

女袴の特徴は

  • 一般的に前襞は5で、後は3つです。
  • 前後共に笹襞が付きます。
  • 前と後の丈は同じで紐は真っ直ぐに付きます。
  • 後紐は前紐より太くします。
  • 「切り上げ」を付けない
  • 後紐の中に後腰幅の部分に厚紙を入れる。

などが挙げられます。

ほか、庶民の仕事着として発展した山袴があり、地層農村部の仕事着です。モンペ、軽杉(かるさん)、裁付(たっつけ)などと呼ばれ形や名称など様々なものが男女共に用いられています。(遠山庫太郎遺作集より)

大相撲では、多くの袴を見ることができます。行司さんが着ている衣装は「直垂:ひたたれ」でしょうか?

上下で直垂といいますが、袴は行司袴で「指袴」でしょうか?ズボンのような?襠付き袴です。序の口の行司さんは、丈が短い袴を着用されていますが、裾に紐が付いていて、膝下でしばって留めています。

また、背中にスポンサーの名前がプリントされているきものを着て、呼び出しやホウキなどを持っている方の袴は裁付(たっつけ)袴で脇が大きく開いているのが特徴です。

どの袴も前の襞数は5ないし3で、後は1つです。裾をしばったり、スネに布を付けたりして作業がしやすいように改良されています。

他には、小袴、長袴、大口袴、給仕袴、神宮袴などがあります。

(参考:(一社)日本和裁士会 新版和服裁縫)

小紋・色無地・紬ってなに?

小紋とは

小紋とは大紋や中形に対する呼び名で、一面に細かい文様を型染めされたもののです。絵羽模様(縫い目にわたって柄が続くもの)に対して区別する意味も含め、総柄の染め着尺地の総称を小紋と呼んでいます。また、和服の種類と合わせて呼ぶことも多く、たとえば「小紋のきもの」とか「小紋の羽織」とか言います。小っちゃな柄のことを指して言います。
代表的なものは、江戸時代の武士の裃(かみしも)から発達した江戸小紋があります。

江戸小紋は細かい柄を彫った型紙を使い一色染めしたもので、その型紙は三重県の伊勢型紙を使用します。

伊勢型紙

代表的な柄は青海波のような「鮫(錐:きり)」、

細かな点を並べた「行儀」、

細かな四角を並べた「通し」

などが有名で、他にもからせみ、静御前、業平菱などがあり、それらを組合わせた柄もあります。

また、沖縄の紅型(びんがた)など、種類は多いです。(他、型小紋・ローケツ小紋・手差し小紋・摺り小紋・更紗小紋・藍染め小紋などがあります)

大紋(だいもん)とは
小紋に対して大紋は映画などの「忠臣蔵」で浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかった松の廊下のシーンがあり、着ていた装束は長袴と大紋姿が印象的で、紋を大きく染め抜いたものです。「紋」とは柄・デザインという意味があり「大紋」は大きな柄なのでしょうか。(下の写真は上着です。遠山庫太郎遺作集より)

中形(ちゅうがた)とは
小紋に対して中形とは本来、小紋や大紋に対する中形文様のことですが、素肌に着る木綿藍染めの単衣のことも中形と言っていたようです。江戸時代後期「天保の改革」で庶民には絹布使用を禁じたため、真岡木綿による中形染めが発達し、デザインも洗練され藍染め一色が江戸町人の生活に広まったとされています。
代表的なものでは、浴衣に多く染められる「長板中形」、手ぬぐいなどを染める技法で「折付中染中形」などがあります。

小紋に対し対し反物を一色に染めたものを色無地といいます。

紬とは

紬は、昔は真綿や屑繭を指先でつむぎ糸を作り、手織機で織り上げたもので、現在では機械つむぎが主流です。代表的なものでは高級品の結城紬・大島紬や、黄八丈・白山紬・飯田紬など種類や産地も多様です。一部を除き、街着やおしゃれ着として着用されます。下の写真は紬生地です。(参考:(一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫上巻)