帯について④(袋帯の手先・垂先・帯芯について)

・織り留めの出し方
袋帯の垂先・手先には、太い線が織られていて、私たちは、「織り留め」とか「織り出し」「かいきり線」と言っています。


呉服店または関西・関東によっても垂先の出来上がりが違います。関西圏あたりでは、「織り留め」を出し、中部地方から東の関東圏あたりは「織り留め」を隠します。

関西圏の垂先

全国でチェーン展開する関東の大手呉服店では、統一された仕立て方により、関西圏でも「織り留め」を隠したため、その仕立て方が全国に広がってしまったと聞きます。

・手先・垂先の仕立て方
手先・垂先を表からスカラップかがり(束かがり)などでかがる方法、

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出来上がり折り山のすぐ際の縫い代を裏から縫い合わせる方法、

出来上がり折り山より数センチ深く縫う「比翼仕立て」

袋帯比翼仕立て

または、比翼仕立てで数センチ深く千鳥かがりをする方法などあります。

千鳥かがり
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また、比翼仕立ての場合、内側に呉服店や撥水加工のタグなどを付ける場合もあります。

・帯芯について
帯芯は、袋帯や名古屋帯などに入れ、呉服店によって芯の堅さに特徴があるようです。帯芯の種類は、千差万別で新モスのように薄いものから、帆布のような厚手もの、縦糸に絹、横糸に綿の糸で織ってあるもの、100%絹のもの、毛織芯、起毛芯、夏帯の絽など透ける帯に使用されるカラー芯や軽涼芯などなどあります。袋帯にはどちらかというと、柔らかめ・薄手のものを使うことが多いです。

2024年1月19日 | カテゴリー : | 投稿者 : 和裁屋