ブログ:和裁屋日記
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帯について⑤(袋帯はサイズがあります)
袋帯もきものを止めるベルトのようなものです。4m位の布を体に縛って巻き付けます。各部分の寸法には、どのような体型の方が締められても変わらない寸法と、体型によって変化する寸法があります。
上の図のように、変わらない寸法は、垂先からお太鼓中心までの距離で133cm位です。体型によって変化する寸法は、お太鼓柄中心から、胴の柄中心までの距離です。この距離は、お腹の中心に、胴の柄中心が来るようにした場合の長さで、昔は90~95cm位でしたが、近年、ふくよかな方も結構いらっしゃるので、現在の袋帯は1m前後のものが多いようです。この距離の計算式は、胴回り/2+53~55cmを目安にします。胴回りとは、きものを着る時、体型のくぼみを補正し寸胴(ドラム缶体型)にして着ますので、体型で一番太い箇所になります。その他、お太鼓柄中心から45~50cmのところを垂境とし、そこから手先までの距離も体型に合わせます。その長さは、胴回り×2+75~80cmを目安にしています。連続した柄の全通帯や六通帯は、ある程度融通が効きますが、ポイント柄のもので、短めのものはシビアになってきます。(※あくまでも目安の計算式です。実際に締めていただいて測ることを心がけています。)
ある程度長い分には畳み込めばよいのですが、極端に短い場合には、足し布をして長くする必要があります。(後日説明をします)
帯について④(袋帯の手先・垂先・帯芯について)
・織り留めの出し方
袋帯の垂先・手先には、太い線が織られていて、私たちは、「織り留め」とか「織り出し」「かいきり線」と言っています。
呉服店または関西・関東によっても垂先の出来上がりが違います。関西圏あたりでは、「織り留め」を出し、中部地方から東の関東圏あたりは「織り留め」を隠します。
全国でチェーン展開する関東の大手呉服店では、統一された仕立て方により、関西圏でも「織り留め」を隠したため、その仕立て方が全国に広がってしまったと聞きます。
・手先・垂先の仕立て方
手先・垂先を表からスカラップかがり(束かがり)などでかがる方法、
出来上がり折り山のすぐ際の縫い代を裏から縫い合わせる方法、
出来上がり折り山より数センチ深く縫う「比翼仕立て」
または、比翼仕立てで数センチ深く千鳥かがりをする方法などあります。
また、比翼仕立ての場合、内側に呉服店や撥水加工のタグなどを付ける場合もあります。
・帯芯について
帯芯は、袋帯や名古屋帯などに入れ、呉服店によって芯の堅さに特徴があるようです。帯芯の種類は、千差万別で新モスのように薄いものから、帆布のような厚手もの、縦糸に絹、横糸に綿の糸で織ってあるもの、100%絹のもの、毛織芯、起毛芯、夏帯の絽など透ける帯に使用されるカラー芯や軽涼芯などなどあります。袋帯にはどちらかというと、柔らかめ・薄手のものを使うことが多いです。
大谷翔平選手寄贈のグローブ
和服とは、全然関係ありませんが、大谷翔平選手寄贈のグローブが1月9日まで豊橋市市役所に展示されてています!
東日新聞によりますと、
豊橋市教育委員会は26日、米大リーグ・ドジャースに移籍した大谷翔平選手からグラブ159個が届いたと発表した。このうちの3個を27日から市役所本庁舎で展示する。大谷選手は、全国の小学校にグラブを3個ずつ寄贈している。市教委によると、グラブは25日に到着。「野球しようぜ」と書かれた写真付きのメッセージカードも添えられていた。市内52校と、くすのき特別支援学校に各3個(右利き2個、左利き1個)を配布する。3学期が始まる来年1月9日以降、各校で児童が使えるようにする。注目度の高いグラブを市民にも見てもらおうと、市教委は学校の冬休み期間を利用し、1校分の3個とメッセージカ―ドを市役所東館1階の名産品コーナーに、年末年始の休み(29日~1月3日)を除き1月9日まで展示する。種井直樹教育部長は「大谷選手の気持ちをくんで、子どもたちが各校で使えるようにしたい」と話した。
と、報道しています。
お近くの方は、是非見に来て下さい!
帯について③(袋帯について)
今回は、袋帯についてです。元々の原型は丸帯で、腹合わせ帯(鯨帯・中合わせ帯・昼夜帯)となり、時を経て袋帯となりました。締め方は、前(胴)は幅を二つ折りにして二重巻き、お太鼓結びでは二重太鼓で、他には振袖などに変わり結びができます。
売られている多くの袋帯は表裏の耳端縫いをしてあり、幅は30~32cm、仕立て上がりの長さは4.2~4.5m位でしょうか。昔、袋帯の長さは1丈1尺(=4.2m)と言っていましたが、近年、振袖には変わり結びをするためや、ふくよかな方にも対応するため、少々長くなり、出来上がり4.5m位の帯も珍しくはありません。
袋帯の柄位置によって大きく3種類に分かれます。※仕立て前の状態です。
・全通柄(ぜんつうがら)
端から端まで帯全体に柄があります。
・六通柄(ろくつうがら)
お太鼓から胴に巻く部分と、手先に柄があり、約6割の部分に柄があるもの。
・ポイント柄
お太鼓と胴に特徴的な柄があるもの。
売られている袋帯は、表生地と裏生地の耳端が合わせて縫ってあるものがほとんどです。その縫い方は3種類で、1つ目は裏側から縫い合わせてあるもの。
2つ目は出来上がりをジグザグに縫ってあるもの。
3つ目は数が少ないですが、縫い目のない本袋帯です。
1つ目と2つ目の縫い方で、どれが正式ですか?と質問がありましたが、私の知る限りどれが正式ということはありません。一つ言えることはジグザグミシンの場合、お稽古とか、頻繁に使われる帯の場合、表に糸が出ていますのでお太鼓やお腹に巻くあたりとか、よく触る同じ箇所がすれて糸が弱くなりほころぶ可能性はあります。
あけましておめでとうございます
令和6年1月1日
明けましておめでとうございます。
今年は辰年です。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。