袋帯のだぶり直し

帯の仕立ての仕事が来ました。

袋帯のだぶり直し01

袋帯のだぶり直し01

検品をすると、表地と裏地のつり合いが悪く、表が緩くとてもだぶっています。柄の感じから古そうで、時間が経っているので表生地と裏生地の材質が違いすぎて、つり合いが悪くなっていますいます。さらにガード加工を施したので裏地が縮んでしまったのかもしれません。お客さんこのことを告げ確認をしていただき、端縫いを解き、つり合いを直します。

袋帯のだぶり直し03

袋帯のだぶり直し03

縫いを解く前にどれだけ縮んでいるか、手先の織り止めの位置で、裏地に糸標をしておきます。

袋帯のだぶり直し04

袋帯のだぶり直し04

両端のミシン縫いを解き、手先を見てみると、約6cm強、表地の方が長いようです。

袋帯のだぶり直し05

袋帯のだぶり直し05

表地、裏地共に、霧吹きと業務用スチームアイロンでこれ以上縮まないように地直しをし、生地を整えます。

袋帯のだぶり直し06

袋帯のだぶり直し06

元の縫い目でミシン縫いをして、縫い代は縫い割りをします。

袋帯のだぶり直し07

袋帯のだぶり直し07

表側にひっくり返して、さらに被山を整えながらアイロンを当て整え、その後は通常通り帯芯を入れて仕立てました。

袋帯のだぶり直し08

袋帯のだぶり直し08

これで、スッキリとつり合いもよくなりました。

この場合のつり合い直しと仕立て代は、帯芯別で14,000円(税別)程度です。

なお、はじめの縫い跡が出てしまう場合や、帯幅が多少狭くなる場合もございます。端の縫い方や生地の具合によって出来ない場合があります。また、下の写真のような縫い目がない本袋帯などは、つり合いを直すことはできません。お気軽にご相談下さい。

本袋帯端

本袋帯端

 

2016年5月11日 | カテゴリー : 仕立て, | タグ : | 投稿者 : 和裁屋

「俵かがり」をやってみました・八寸名古屋帯(かがり帯・袋名古屋帯)の色々な仕立て方

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名古屋帯は、生地の幅によって呼び名が変わります。約36cmの幅の物を九寸名古屋帯、約30cmの幅の物を八寸名古屋帯と呼びます。
九寸名古屋帯の生地は、紬や縮緬、塩瀬羽二重などがあり、中に帯芯を入れます。それに比べ八寸名古屋帯は生地の厚い博多織や綴織りなどがあり、帯芯は入れません。耳端をかがり、仕立てます。締められる方の好みで、生地が薄い場合や厚目が良い方は、お太鼓や手の裏側に帯芯を綴じ付ける場合もあります。

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