帯にも寸法があります。(帯について その1)

帯について説明します。

名古屋帯を締めたところです。

名古屋帯を締めたところです。

帯でよく締めらている「袋帯」と「名古屋帯」の寸法です。

1.名古屋帯の寸法

名古屋帯の基本的な寸法です。

名古屋帯の基本的な寸法です。

お太鼓(垂)と胴に締める境目(三角に畳んでありかんぬき留めのところ)を垂境と呼びます。そこから、お太鼓の先(垂先)までの長さを垂丈といい、垂丈は体型にかかわらず105cm~115cm位です。
特殊な方で98cmで仕立ててくださいという方もいましたが、ごくまれなケースで、この長さが一般的です。

垂境から胴に巻く部分を「手」と呼び、その長さを手丈といいます。手丈はヒップ寸法に合わせて決めます。適当に仕立ててしまうと、ふくよかな方で手先がお太鼓まで回らないといったことが起こります。
ヒップ寸法に合わせるのは、きものを着られる時に、補整をし、寸胴体型にしてきものを着られるため、体型で一番太いホップを目安にします。

おおよそヒップ85cmの方で手丈は245cm位、90cmの方で255cm位、ヒップ100cmの方は275cm位です。絞め方にもよりますが計算をして目安にしています。

名古屋帯の幅は、垂幅を約30cm、手幅を約15cmを基本とし、垂幅÷2=手幅となっています。ふくよかな方は垂幅を31cm位にしたりします。また、背の高く痩せている方は手幅のみを広くしたり、背が低くふくよかな方は、垂幅のみを広くすることも可能です。

現在、名古屋帯の生地は、総尺(布端から布端の長さ)約4.7~5m弱、幅は35cmのものが多いようですが、比較的塩瀬羽二重などの染物の名古屋帯が長めの帯地となっているようです。

2.名古屋帯の柄の位置

名古屋帯の柄の位置です。

名古屋帯の柄の位置です。

全通柄(全体に柄があるもの)や六通柄(垂先から手の途中、無地の箇所を挟んで手先に柄があるもの)以外で、ポイント柄の名古屋帯では垂境をどこにするのかがポイントとなります。
「1.名古屋帯の寸法」の各箇所の寸法とを加味して、垂丈の長さが融通が聞くので、手丈や手の柄中心を測って垂境の位置をきめます。垂境から手柄中心までの距離は、おおよそヒップ85cmの方で51cm位、ヒップ90cmの方で54cm位、ヒップ100cmの方は59cm位です。

3.袋帯の寸法

袋帯の基本的な寸法です。

袋帯の基本的な寸法です。

袋帯は二重太鼓に結びますので、その分垂丈が長く、その他は基本、名古屋帯と同じです。
主に端を縫ってあるものが殆どで、帯幅は30cm~31.5cm位で、近年は31cmの幅のものが多いです。
柄は名古屋帯と同様、全通柄(全体に柄があるもの)や六通柄(垂先から手の途中、無地の箇所を挟んで手先に柄があるもの)、ポイント柄のものがあります。

 

名古屋帯も、袋帯も、手丈がプラスマイナス10cm~15cm位は締められますが、30cmも40cmも短かったり長かったりするものは、大変締めづらい、または、締めることが出来ません。

 

着る当日になって「あれ?長さが足りない!」っていう方がみえますので、購入時や仕立ての際には、「この帯、締められますか?」と聞いた方が良いですね。昔の帯で極端に短い物もあります。30年ほど前の帯の並寸法では、現代の女性の体型には合わなくなってきている帯地もあります。
長さは端から端までで4.5m~4.9m位のものが多いですが、縫い代が長く付いているものもあり、織り留め(太い織り線)の位置や柄付けなど、出来上がりの長さを確認してください。また、振り袖などに変わり結びをする場合は長めの帯(出来上がり4.5m位)を選ぶと良いでしょう。