布の性格を考えて(大島の仕立て)

先回のブログに関連した内容です。

袷着物は、表地(きもの地)・胴裏地・八掛と三種類の生地で成り立っています。
胴裏地は糸の太さ、糊の量などいろいろありますが、縮み具合はそれほど大差はありません。
八掛は染めや糸の太さ、織り方も様々で紬の八掛以外は、とても縮むものもあります。
表地は縮緬、お召し、羽二重、紬等など八掛以上に、千差万別で地直しの作業は、布の端で色々試してから行っています。

その中の紬といえば結城紬、白山紬、信州紬などありますが、大島紬は同じ紬絹織物でも織り糸の性質が違い殆ど縮みません。(布の縮み具合:参照)
大島紬を仕立てて時間が経過すると、下の写真のように胴裏地や八掛が縮んだ結果、表側がビリ付き、緩んだ状態になってしまいます。

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