袋帯のだぶり直し
帯の仕立ての仕事が来ました。
検品をすると、表地と裏地のつり合いが悪く、表が緩くとてもだぶっています。柄の感じから古そうで、時間が経っているので表生地と裏生地の材質が違いすぎて、つり合いが悪くなっていますいます。さらにガード加工を施したので裏地が縮んでしまったのかもしれません。お客さんこのことを告げ確認をしていただき、端縫いを解き、つり合いを直します。
縫いを解く前にどれだけ縮んでいるか、手先の織り止めの位置で、裏地に糸標をしておきます。
両端のミシン縫いを解き、手先を見てみると、約6cm強、表地の方が長いようです。
表地、裏地共に、霧吹きと業務用スチームアイロンでこれ以上縮まないように地直しをし、生地を整えます。
元の縫い目でミシン縫いをして、縫い代は縫い割りをします。
表側にひっくり返して、さらに被山を整えながらアイロンを当て整え、その後は通常通り帯芯を入れて仕立てました。
これで、スッキリとつり合いもよくなりました。
この場合のつり合い直しと仕立て代は、帯芯別で14,000円(税別)程度です。
なお、はじめの縫い跡が出てしまう場合や、帯幅が多少狭くなる場合もございます。端の縫い方や生地の具合によって出来ない場合があります。また、下の写真のような縫い目がない本袋帯などは、つり合いを直すことはできません。お気軽にご相談下さい。
本袋帯端