袋帯のだぶり直し

袋帯のだぶり直し

帯の仕立ての仕事が来ました。

検品をすると、表地と裏地のつり合いが悪く、表が緩くとてもだぶっています。柄の感じから古そうで、時間が経っているので表生地と裏生地の材質が違いすぎて、つり合いが悪くなっていますいます。さらにガード加工を施したので裏地が縮んでしまったのかもしれません。お客さんこのことを告げ確認をしていただき、端縫いを解き、つり合いを直します。

縫いを解く前にどれだけ縮んでいるか、手先の織り止めの位置で、裏地に糸標をしておきます。

両端のミシン縫いを解き、手先を見てみると、約6cm強、表地の方が長いようです。

表地、裏地共に、霧吹きと業務用スチームアイロンでこれ以上縮まないように地直しをし、生地を整えます。

元の縫い目でミシン縫いをして、縫い代は縫い割りをします。

表側にひっくり返して、さらに被山を整えながらアイロンを当て整え、その後は通常通り帯芯を入れて仕立てました。

これで、スッキリとつり合いもよくなりました。

この場合のつり合い直しと仕立て代は、帯芯別で14,000円(税別)程度です。

なお、はじめの縫い跡が出てしまう場合や、帯幅が多少狭くなる場合もございます。端の縫い方や生地の具合によって出来ない場合があります。また、下の写真のような縫い目がない本袋帯などは、つり合いを直すことはできません。お気軽にご相談下さい。

本袋帯端

2016年5月11日 | カテゴリー : 仕立て, | タグ : | 投稿者 : 和裁屋

都市伝説ならぬ「幽霊の片袖伝説」

私達仕立て屋には、先輩や師匠から言い伝えられていることがあります。それが「幽霊の片袖伝説」です。

「幽霊の片袖」の話は、全国あちらこちらのお寺に掛け軸と共に伝わっていたり、片袖が寺宝として展示されていたり、落語にもなっていて、話の内容も様々です。
私が聞いた話しは・・・・・

とあるお寺の住職が就寝中のすぐ横で、誰かが歩く音を聞き、「泥棒だ!捕まえてやる」と思った住職は、とっさに手を伸ばし袖を掴みましたが、袖が取れ逃げられてしまいました。住職が寝ている部屋の床の間には、幽霊の絵の掛け軸が掛かっていましたが、翌日、その掛け軸を見ると、幽霊のきものの片袖が無くなっていた、というお話です。

で、修行中、片袖だけ身頃に付けずに残して1日の仕事を終えると、「幽霊が『私の袖では』と探しに現れる」とか「お化けが出るよ」と言われました。
袖を付けるのは、きものを1枚仕立てる工程の中で、比較的完成間近の作業です。(単衣のきものは最後に袖を付けます)理由は、身頃に袖が付いていると作業がしづらいためです。ですから、「もう少しで完成するのであれば、袖を付けて1日の仕事を終えなさい。」という戒めでしょうか。

信じるか、信じないかは あなた次第です。