和服が大好きな皆さま
昨年は、大変お世話になりました。
今年も皆さまが和服を着てHAPPYになる
お手伝いができる和服作りを目指します。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
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先日、長野方面へ紅葉を見に行きました。小高い場所のお城跡に紅葉が点々と植えられていました。お堀にかかっている橋から下を見ると、びっしり真っ赤な落ち葉が敷き詰められていました。
春には川や池の水面に桜の花びらがびっしりと浮いている様子を「花筏」と表現します。きものの柄でも「花筏」という文様は、水面に散った花がひとかたまりになって流れてゆく様子を筏に見立てたものや、桜や菊などの折り枝を筏に乗せた文様のことを言います。
では、赤や黄色の落ち葉がびっしりとある様子は「もみじ筏」って言うのかな?と、疑問が涌いてきました。
文様の本で調べてみましたが、「紅葉筏」とか「もみじ筏」、「かえで筏」ということばは出ていませんでした。似たような文様では
で、最終手段でスマホで検索したら、
俳句の世界では季語として「紅葉筏」「紅葉の筏」「紅葉の川」というのがあるそうです。
他に「紅葉筏」でヒットしたものは和服というか、衣装というか・・・安土桃山時代の物で「角帽子 鶸色地紅葉筏模様:すみぼうし ひわいろもみじいかだもよう」が東京国立博物館の所蔵されています。柄は筏の上部に紅葉が舞っている様子の文様です。
ことばとしては「紅葉筏」はありますが、和服の柄では「紅葉筏」は無いようで、「龍田川」や「流水に紅葉」といった文様などに取って代わっているように思えます。圧倒的に桜の「花筏」が多いように思えます。
※参考書籍:きものの文様(全日本きもの振興会推薦・藤井健三氏監修)
愛知県豊田市小原地区では、11月下旬から12月上旬に花が咲く四季桜が有名です。山野斜面には紅葉の赤と桜の薄ピンクを同時に楽しめる箇所が地区一帯にあるます。この場合、水面に漂う桜の花びらと落ち葉紅葉は「紅葉花筏」といったところでしょうか??
国内の政治は自民党総裁選挙の話題が多くなり、慌ただしくなってきました。総裁選には十数名の方が立候補していますが、何よりも国民にわかりやすい政治を行ってほしいものです。
その「総裁」には和裁の「裁」と言う漢字が使われています。裁の読み方はサイ、裁つ(たつ)とか裁く(さばく)です。
「裁つ」とは衣服を仕立てるために長い布地を適当に切ることや、布地を切って衣服に仕立てるという意味で、「裁断」とか「裁縫」というように使われています。私の仕事、和裁は和服裁縫、洋裁は洋服裁縫という意味です。
「裁判」で使われている「裁く」では、善し悪しの区別をはっきり決めるという意味。「総裁」に使われている「裁」は物事をきりもりする、また、きりもりする役のことを言います。
他には
という意味もあるそうです。
「裁」を漢字辞典で調べるのには、「ころもへん」で調べます。当たり前ですが、衣服や被服に関する漢字がいっぱい出てきます。
・衫(さん)=単衣・薄物
衫を使った和服では「軽衫:かるさん」があります。袴の一種で中世末に来日したポルトガル人のズボンをまねたもので裁付袴とも言われています。大相撲の呼び出しさんらが履いている袴です。
・衿(えり) 和裁では襟ではなく衿を使います。
その他、和裁の試験や和裁の仕事で目に付く「ころも」が付く漢字ですが、読めますか??一度調べてみるのもいいかも。
参考資料
8月11日にパリオリンピックが閉会しました。日本は獲得金メダル20個で海外オリンピックでは過去最多数、アメリカ・中国に次いで3位でした。私の家で盛り上がって見ていたのは、バレーボールや卓球でした。手に汗握る試合展開!もう少し、あと一点というところで惜敗してしまいました。他に気になって見ていたのは柔道です。日本のお家芸とも言われていて、何個の金メダルが取れるかと期待が大きかった種目でした。
そこで気になったのは、柔道着の着方ですが、和服と同じ右衿を先に、左衿を後に着る着方「右前」です。でも洋服は、男女で衿の打ち合わせが違います。外国の柔道選手で「着方なんか関係ないじゃん!」という方はいなかったのかな?対戦選手の利き手によって衿の打ち合わせを変えれば、組み方で有利になるとも思います。で、調べてみたら、一橋大学体育会柔道部のHPに掲載されていました。以下要約しますと
「1996年アトランタオリンピックで田村亮子選手が決勝で当時無名の北朝鮮選手に負けてしまいました。この北朝鮮選手は柔道着を「左前」に着るという奇策に出ることで、組み手争いを優位に進め勝利しました。この件を受け、国際ルールには「右前」に着ることが明文化されました。」とあります。
では、日本ではいつから「右前」に着るようになったのでしょうか。大陸の文化の影響があった古墳時代後期では、埴輪に見られるように「左衽着装法」(さじん)といって男女とも現在の逆の「左前」に衿を合わせていました。
奈良時代となり養老3年(719年)元正天皇が「衣服令」を発令。衿は右を先に合わせる「右衽着装法」(うじん)が用いられるようになり今日に至ります。
私達、仕立屋では左前の部分を上前といいます。例えば上前身頃=左前身頃、上前衽=左衽、上前衿=左の衿というように使い、逆の右前側の部分を下側に着ることから下前と言います。後側は、右後身頃・左後身頃と呼んでいます。この「右前」にすることによって、左側の身頃を引っ張って着ることから、背縫い縫い代(被:きせ)は左身頃側に倒すようになったと聞いています。
また、死装束では生の逆の死であって、生きている人の着方の逆「左前」に着せ、仕立て方も背縫いは右身頃に倒し、縁を裂くという意味で裁断は鋏を使わず、布を裂きます。縫い方は、留める・結ぶ・重ねる・戻るといった意味を嫌い、糸端の玉留め、糸を結ぶ、返し針、縫い重ね、などはせず、縫いっぱなしで作ると言われています。
お昼の情報番組で、どこかのグルメイベントの中継がありました。リポーターの方は浴衣を着ていましたが、襟元ははだけ、裄が長く、幅も合っていなく、だいぶ大きめな感じでした。来場者にインタビューをする場面で小っちゃい子供を連れた3人家族の母親も浴衣を着ていましたが、衿合わせが逆。知らないというのは恐ろしいです。テレビ中継でこんな事を度々、目にする事がありますが、番組の現地ディレクターとか誰か一声掛けることは出来なかったのかと思います。
柔道では、柔道着の着方、裄や丈などのサイズまでルールとして明記されています。一般の方のきものの着方には柔道のようなルールや罰則はありませんが、日本人ならば、日本文化のきものの着方は、知っておいてほしいです。
参考書籍:きもの文化検定公式教本Ⅱ
先回説明した様々な幅の生地を使って、女物きものを仕立てる場合、どのくらい長さが必要か計算してみました。
標準とした体型は、身長155cmでヒップ95cm位の普通体系です。袖丈は50cmで縫い代を4cmとし、身頃は繰越3cm、縫い代は4cmとしました。(内揚げは殆どない状態です)柄などによって、各パーツの位置を移動する場合や、衿など工夫する部分もありますので、注意して下さい。また、後々、縮んだりして直すことを考える場合は、身頃には内揚げを入れ、内揚げの量と同等の縫い代を衽や衿などに入れておきましょう。
※布幅によっては、裄や身幅が出来ない場合がありますので注意して下さい。
幅36~40cm位 長さ12m~ 通常の裁断方法です。
幅36~40cm位 長さ約11m
長さが不足している場合かぎ衽裁ち:両面物(うば衽裁ち:片面物)にします。
衿は摘まむなどして掛衿とし、摘まみ代に別布を挟み込むなどします。
※衿を継ぎ足すので工夫が必要
洋服生地などできものを作る場合、裁ち目の処理や裁ち合わせの複雑さがネックですね。やはり和服生地の幅はきものを仕立てるのに合理的な幅になっています。きものを仕立てる場合「縫い代は一切裁ち落とさない」が大原則ですのが、最近の40cm以上の布幅で、痩せている方のきものを作る場合、作り辛いことがあります。お相撲さんのきものを作る場合は、同じ反物を2反用意してもらって、脇や袖付けに足し布をします。その方が合理的と考えられています。
参考資料:新版和服裁縫上巻(社団法人日本和裁士会)
最近、和服の反物以外の生地、手芸店で売られている生地での仕立てが続いてありました。110cm幅の麻と綿の混紡で単衣の着物を、115cm幅の縦縞プリント柄でお祭り用の袴を仕立てました。
帯以外で、きもの等の生地(反物)の幅は、私が和裁の勉強をしはじめた40年ほど前では36cm程でした。その後、ウールアンサンブル生地でキングサイズやクイーンサイズといった少々広めの物が登場し、現在では40cm幅を越える物もあります。私達ではそれらの幅の物を小幅物(並幅物)といい、小幅物の倍の幅の物を広幅物(大幅物)といっています。大幅物は主に裏地(胴裏地)や居敷当て・男物長襦袢や男物羽織裏(額裏)などに使われています。きものなどの生地ではこの2種類の幅の反物を使っています。
和服生地以外で、手芸店には様々な幅の物が販売されています。普通幅として110~120cm幅の物や、ゴルフで距離を示すヤードからきているヤール幅は91cmまたは96cmです。
シングル幅は、28インチの71cm幅の物と36インチ92cmの物があります。また、カーテンやベッドカバーなどに使われるワイド幅やダブル幅は140cm~180cmです。
これらの生地を使ってきものを仕立てる場合、衿などを工夫することが必要です。また、余分な残り布が出てしまう幅の物もあります。
次回は、これらの幅の物を使って女物きものの裁断図を説明します。
名古屋帯の仲間で、八寸名古屋帯(かがり帯・袋名古屋帯)と呼ばれている帯があります。
布幅が30~31cmで綴織・博多織・絽・絽綴・紗・紬などの名古屋帯地で、耳端を合わせてかがります。
生地が柔らかい場合には、好みによって垂のみに垂裏側に帯芯を綴じ付けて入れます。ポイント柄の距離や長さは、先回の名古屋帯と一緒です。八寸帯の垂先は、ほとんどの場合、「わ」のままにし、織り留め(かいきり線)を合わせる方法です。先回の名古屋帯と同様、全体の各寸法バランスをよく確認して垂先を決めることが肝要です。かがる方法は主に以下の3種類です。
・巻きかがり
・スカラップかがり
・俵(蛇腹)かがりかがる箇所は主に以下の3種類です。
・総かがり(全かがり)
垂と手と全部かがります。堅い帯など、手の部分を二つ折りにしにくい帯は総かがりがおすすめですが、好みで手幅を太くすることはできません。
・松葉かがり
垂は全部、手先から38cm位かがります。胴に巻く部分はお好みで太くできます。
垂境には、千鳥かがりをします。
・帛紗かがり(夏かがり・トンネルかがり)
垂先から20cm位、垂境は10cm位かがり、手先は細く三つ折りにしてスカラップかがりをします。手全体をお好みの幅に二つ折りにして締めることができます。
今回は、名古屋帯の仕立て方を紹介します。
・松葉仕立て
開き名古屋帯の手先38cm位を二つ折りに縫い合わせた帯です。胴に巻く部分はお好みの幅に折って締めることができます。手の裏側は、裏地を付けるか、縫い代を直接帯芯に綴じ付ける方法があります。
・京袋帯
長さと幅は開き名古屋と同じです。京袋帯も一重のお太鼓で、手幅(胴)を好みに広く折ることができます。裏地は垂先から手先まで共地や通し裏を使用します。名前が袋帯と付いていますが、一重太鼓の袋帯の短い帯です。
・開き名古屋帯(お染め仕立て:額仕立て)
長さは名古屋帯と同じですが、垂幅と手幅が同じです。一重のお太鼓で、手幅(胴)を好みに広く折ることができます。手の裏側は、裏地を付けるか、縫い代を直接帯芯に綴じ付ける方法があります。
以上の仕立て方の違いを、通常の名古屋帯と比較したものが以下のようになります
その他の仕立てのオプションとして、下記のようなこともできます。
・ポケット付き
普通の名古屋帯で、帯板を入れて張りを持たせるためにポケットを付けます。手先からポケット中心までは約100cm(胴回り/2+62cm)で、ポケット口明きは、40cm位です。帯板を入れずに、もう少し大きく開けてハンカチを入れるためにポケットを付ける方もみえました。
・手先比翼仕立て
松葉仕立ての逆で、通常の名古屋帯の手先38cm程度、広がるように比翼仕立てにすることです。
・二重太鼓トンネル仕立て
お太鼓部分の表生地と裏生地の間に別布を付け、トンネルのように口を開けることにより、一重太鼓に締めて二重太鼓のように見せられる仕立て方です。垂裏の織り方や色目などによって袋帯の二重太鼓のように見えない場合があります。
先回のおさらいにもなりますが・・・・名古屋帯の各寸法を詳しく。
名古屋帯もきものを止めるベルトのようなものです。トータル3.6m位の布を体に縛って巻き付けます。各部分の寸法にはどのような体型の方が締められても変わらない寸法と、体型によって変化する寸法があります。
上の図のように、変わらない寸法は、垂先からお太鼓柄中心までの距離68cm位と、お太鼓柄中心から垂境までの45~50cmです。
体型によって変化する寸法は、垂境から胴の柄中心までの距離です。この距離は、お腹の中心に、胴の柄中心が来るようにした場合の長さで、この距離の計算式は、胴回り/2+8~10cmを目安にします。胴回りとは、きものを着る時、体型のくぼみを補正し寸胴(ドラム缶体型)にして着るものとしていて、体型で一番太い箇所になります。その他、垂境から手先までの距離(手丈)も体型に合わせます。その長さは、胴回り×2+75~80cmを目安にしています。
帯地の長さはおよそ決まっていますので、計算式などを参考にして、少々手丈が足りまい場合は、垂丈の許容範囲内で短くし、垂境を移動させ、胴柄(前)のポイント柄までの距離と手丈を長くします。
連続した柄の全通帯や六通帯は、ある程度融通が効きますが、ポイント柄のものは、その辺りの長さはシビアになってきます。(※あくまでも目安の計算式です。実際に締めていただいて測ることを心がけています。)
ある程度長い分には畳み込めばよいのですが、短い場合には下図のように足し布をして長くする必要があります。
【名古屋帯の直し物】
・芯取り替え
以前紹介したものでは、お祖母様の名古屋帯に垂境と手先へ足し布をした名古屋帯や、お年を召した方で芯が硬いし重いとのことで、帯芯取替をしたことがあります。全く逆の芯が柔らかいので、硬い芯に変えたこともあります。
・丈直し
名古屋帯でも、丈の短い物に足し布を足して長くすることができます。お太鼓結びでは、袋帯は二重で名古屋帯は一重です。お太鼓(垂丈)の長さは違いますが、ポイントとなる寸法は同じように考えています。下図は、その比較したものです。袋帯と同様に手丈が短い場合には、手先きで継ぎます。お太鼓のポイント柄から胴のポイント柄までが短い場合には垂境で足し布を足すことができます。
名古屋帯の帯芯に真綿を薄く引くことがあります。
・帯芯について
名古屋帯の帯芯は、袋帯と比べやや厚手・堅めのものを使います。帯芯の種類は、千差万別で新モスのように薄いものから、帆布のような厚手もの、縦糸に絹、横糸に綿の糸で織ってあるもの、100%絹のもの、毛織芯、起毛芯、夏帯の絽など透ける帯に使用されるカラー芯や軽涼芯などなどあります。
今回からは名古屋帯についてです。
名古屋帯が考案されるまで女性の帯は丸帯や腹合わせ帯(現在の袋帯のようなもの)など、胴の部分で二つ折りにして締めていたものが、大正時代後期に名古屋地方で考案された現在の名古屋帯は、腹合わせ帯と半幅帯を合わせ備えた帯として「文化帯」とも呼ばれ流行しました。
名古屋帯地の織物では紬や博多織、花織、紗や絽、有職文様や刺繍の施してあるものなどがあります。また、塩瀬羽二重や縮緬などに友禅染めや紅型などの柄を染めてあるものがあり、絹・麻などの他に、特殊なものでは和紙を柿渋でコーティングして織ったものなどもあります。
名古屋帯の反物の幅は35cm~38cm程度、長さは4.6~4.9m程度です。袋帯と同様に全通柄・六通柄・ポイント柄の物があります。
下図のように、お太鼓の部分を「垂:たれ」、その長さを垂丈、垂れの先を垂先といいます。お腹に巻く胴の部分を「手:て」、その長さを手丈、手の先を手先といいます。垂境は、出来上がりで垂の広がっている部分と、手で垂幅の約1/2幅に縫い合わせてある部分との境目で、名古屋帯を作るのに重要なポイントの一つです。
出来上がりの垂幅は30cmからで、体型によって1~2cm程度広くします。手幅(前)は、垂幅÷2を基準にしますが身長や年齢などによって加減します。例えば、高身長の場合は手幅(前の幅)をお太鼓幅/2より広くします。長さは体型によって変わります。
袋帯は二重にお太鼓を締めますが、名古屋帯は一重に締めます。名古屋帯の垂先から手先までの長さは3.6m位で、袋帯と比較すると65cm位名古屋帯が短くなります。
垂先の決め方
名古屋帯は体型によって、手丈など各部分の寸法が変化しますが、垂丈・垂境や手丈などの各寸法の起点となるのが垂先です。また、ポイント柄の名古屋帯は垂先・垂境の位置によって締めにくくなる場合もあります。垂先は、織り留め(かいきり線)がある場合や、垂(お太鼓)柄中心から決める場合があります。また、垂先を「わ」のまにする場合と、摘んで縫う場合があります。垂先に落款(作家の印)などがある場合などもあります。垂裏の長さ、ポイント柄中心から垂先の距離、垂丈・手丈などをよく確認して垂先を決めます。
1.垂表と垂裏の織り留め合わせる場合
2.織り留めの9~10cmのところを垂先とする場合
3.垂表の柄端から数ミリのところを垂先とする場合
4.お太鼓ポイント柄中心から測って垂先を決める場合
5.垂先を縫い摘む場合
垂丈について
垂裏の長さを確認し、垂先から垂丈106~114cmのところを垂境とします。ポイント柄のものは垂先からお太鼓柄中心までの距離が68cm位で、お太鼓柄中心から垂境までの距離が45~50cm位です。これらの寸法は、体型にはあまり関係ありません。垂境から手柄中心(前柄中心)までの距離は、胴回/2+8~10cmを目安にします。以前は標準で45~47cm位でしたが、最近は56cm位のものが多くなってきました。垂境の位置によって手丈も決まってきます。また、ふっくらした方でお太鼓柄中心から手柄中心までの距離が足らない場合は、垂境で足し布を継ぎます。
手丈について
垂境から手先までの距離を手丈と言います。手丈は227~265cm程度で計算では胴回×2+75~80cmを目安にしています。
日頃、これらの長さを測って、確認して仕立てを行っていますが、必ずしも当てはまるわけではありません。きものを仕事で使われていて、ご自分で着られている方で垂丈が98cmの方もいました。戦後、物がない時代では胴に一重しか巻かない方など、こだわってらしゃる方もみえますので、出来るだけ帯の締め方のお話を聞き、一番締めやすいものを見せていただけるようにしています。