喪服一式など結納に必要ということで、正絹(絹100%)絽長襦袢を仕立てています。
この場合、居敷当てが付かないので、補強の意味で、背縫いは約70cm程度一針ずつ縫い返しをします。
脇は、10cmほど縫い返しをします。
身八ッ口には、力布で補強します。
裾は地の目(絽の目)を通して(揃えて)三つ折りぐけにします。地方や呉服店によっても違いますが、くけ上がり幅が約1cmの場合もあれば、約3.5cmの場合もあります。この場合は、1cmです。
生地が透けるのものなので、衿肩明きには、大きな肩当ては付けず、三日月布(力布)を付けます。
衿先布も、地の目を通して仕立てます。
正絹物(絹100%)のものは、裾や袖底(袖下)など地の目を通して仕立てます。
「地の目を通す」という意味は、布の耳端から耳端まで横糸1本ずれないように通すことをいいます。
例えば、名古屋帯の垂先も地の目を通しますが、縫い合わせる際に下の写真のように綴じます。
正絹物であれば袷着物や長襦袢の裾など、名古屋帯の垂先・手先など、よっぽどの箔使いや耳端の吊れ、強い生地のゆがみなどがない場合は、地直し(仕立て前にアイロンを掛けること)で生地を真っ直ぐにして、地の目を通して仕立てています。