襦袢の種類(長襦袢の裾)

布の使い方によって(裾について)

長襦袢の裾は、裾返し、通し裏、しず布(竪しず・裾しず)付き、三つ折りぐけ(石づき)があります。

「裾返し」は袷衣長襦袢の裾で、表布を裏側に返したもので、輪のままのものを「裾輪な」と言い、裾で摘まんで袷衣きものの裾のように吹きを作ったものを「裾吹き」といいます。

名古屋では「裾輪な」が多く東三河と呉服チェーン店では「裾吹き」が殆どだったような気がします。トータルではどちらも同じくらい仕立てています。

「通し裏」は男物袷着物のように裾まで別布の裏が付いたものです。殆どありません。

「しず布(竪しず・裾しず)付き」は摘まみ竪衿の袷衣長襦袢に、共地あるいは別布を裾しず(裾返し)や竪しず(竪衿裏)にしたものです。しず布のことを「ざん(衣へんに浅の右側)」ともいい、裾ざん・竪ざんとも言っています。

摘まみ竪衿とは、前身頃の衿肩明きから前幅を結んだ線で0.8cm程度摘まんで竪衿(衽)が付いているように見せかけた仕立て方で、子供用のきものの四ッ身に見られる方法です。反物の長さが短くてできますが、背縫いを深く縫うため、肩幅(裄)や身幅を広くできないので制限があります。

「三つ折りぐけ(石づき)」は単衣長襦袢の裾の状態のことで、前身頃・後身頃など三つ折りにしてくけ付けます。「石づき」は、単衣着物と同じように、褄下先(褄先)を額縁のようにすることをいいます。

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