袴の紐の畳み方

袴の紐の畳み方

現在、よく仕立てる袴では

  • 行燈(あんどん)袴

スカート式。お手洗いが楽です。ちょっと持ち上げて用を足せます。

  • 襠付(まちつき)袴

別名:馬乗袴とも言い、キュロットスカートのような袴です。股(襠)の高さは40cm弱程度ですので、お手洗いの時には、片側に足を突っ込んで、袴を上げて用を足せます。襠高が高い袴はその都度紐を解かないと用が足せません。

  • 女物袴

明治時代に女学校の制服とされ、現在のセーラー服の原型です。巫女さんの袴もこれにあたります。卒業式などによく着用されていますね。

男袴の袴で行燈と襠付き、「どちらが正式ですか?」という質問をよくされますが、見た目余り変わりが無く、私達もよく分かりません。強いて言えば、あんどん袴の方が襞が広がりやすいと言ったところでしょうか。まあ、好みだと思いますが・・・・

その他、剣道袴、仕舞袴(日本舞踊で使われる)や水戸黄門がはいている又シャレ袴など色々な袴がありますが、どれも前紐が長く後紐が短いです。反物から新品で仕立てた時には前紐は一文字に畳み紙で封じ、後紐は身頃の上で交差させ、糸で留めて納品をしています。

一度、履いたら下のイラストの様に紐をたたみます。二種類の畳み方が主流でしょうか。ネットでは「袴の紐の畳み方」で検索すると動画で紹介されています。

・石だたみ

石だたみ

((一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫 下巻より)

・菱だたみ

菱だたみ

((一社)日本和裁士会編 新版和服裁縫 下巻より)

よく袴を着用していた頃は、睦月はこの畳み方と言うように紐の結び方が12種類あって、前にはいた時が分かるようになっていたそうです。

2016年4月27日 | カテゴリー : | タグ : | 投稿者 : 和裁屋

オリンピックエンブレムが決まって・市松文様

オリンピックエンブレムが決まって・市松文様

2020年東京オリンピックのエンブレムが決まりました。

2020年東京オリンピックエンブレム

4つの案の中で、一番日本らしいとは思っていました。

私達にとってはよく目にする市松文様を変形させ、さすが!デザイナーさんが作っただけのことはあります。

(一社)日本和裁士会の手島会長の話によると、東京オリンピックは夏に開催なので、「閉会式には選手全員に浴衣を着ていただこう!」なんて話が、きもの業界や都議会で出ているそうです。きっと市松柄の浴衣でしょう。市松なので、白地に1色で染めることができ、コストもかかりませんよね!

でも、きっと仕立てはアパレル関係の企業が、ミシンで大量に作ってしまうでしょうね(=_=)

さて、話は変わりますが市松柄は、江戸時代のとある歌舞伎俳優が好んで使った柄だそうです。その時代の歌舞伎俳優はオシャレで「粋」な柄を身に付け、ファッションリーダー的な存在だったのでしょう。熱狂的なファンは、お気に入りの歌舞伎俳優と同じ柄のきものを着ていたのでしょうか?弁慶の役では弁慶格子、老人の役には翁格子、尾上菊五郎の柄は「キと四本線と五本線(たして九)、そして呂」の語呂合わせで菊五郎格子など、今に伝わっている格子の文様は数多くあります。

格子柄

1回目のオリンピックエンブレム決定の際に「パクリではないか?」と騒動が起きましたが、この市松柄、ブランドの○イ・ヴィト△がパクったのかな?

七宝文様

この七宝柄も、ブランドの柄に・・・似ていますよね~

今回のオリンピックエンブレム、また騒動が起こらないことを願っています!

2016年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 和裁屋