袖の種類④

・舟底袖(船底そで:ふなぞこそで)

舟底袖は船の底の形に似ていることからこの名前が付けられていて、袖丈は32cm(8寸5分)位です。昔は子供用の着物の袖として作られていました。それが第2次世界大戦当時、男性は国民服、女性は袖丈を詰めた30cm(8寸)前後の舟底袖を着るようになりました。活動的ではない袂袖(たもとそで)は社会から姿を消し、婦人標準服として舟底袖が一般に用いられました。

・薙刀袖(なぎなたそで)

薙刀袖は、かなり古くからあったと言われています。薙刀に形が似ていることから付いた名称と言われ、また、昔、薙刀の稽古に婦人が着たからとも言われていますが、真偽は不明です。袖丈は30cm(8寸)位です。どちらかというと舟底袖よりカーブの度合いが浅いイメージです。

・平口袖(広袖)

長襦袢や半纏(はんてん)、丹前(たんぜん)など、袖口が大きく明いている袖口を平口(広袖)と言います。

長襦袢の場合は下のイラストのようになります。

参考資料

  • 「知っておきたい和裁の知識」日本和裁士会編著
  • 「日本和裁新聞」日本和裁士会発刊
  • 「和裁教科書全巻」日本和裁士会発行
  • 「わさい」愛知県和裁教授連盟発行
  • 「新和裁全書」金園社発行