羽織から名古屋帯

まで何本も羽織から帯を仕立てていますが、今回は黒絵羽織(ポイント柄の羽織)から名古屋帯を仕立てる仕事の依頼がありました。

羽織から名古屋帯

洗い張りの状態で来ましたので、まずは検品と、柄の位置などを確認し、設計図を作成します。

羽織から名古屋帯

(設計図)

☆注意するポイントは、

お客様の体型で、お太鼓のポイント柄から垂先と垂境の距離、垂境から胴(手)のポイント柄までの距離、手の長さの確認。

幅の確認

胴回りから計算して、締めた時に継ぎ目が出てしまわないか

胴(手)のポイント柄は両面に出ることが出来ない場合、お客様がいつも胴(手)を締められる方向が逆になってしまわないかどうか

などなど、詳しくチェックします。

今回は、お太鼓(垂)の柄は左身頃の大きな柄を使って、胴(手)は片側によっている右身頃の小さな柄を使います。衿や袖の無地の部分は、お太鼓の裏(垂裏)や手先などに使いました。

羽織から名古屋帯 (お太鼓の柄と胴の柄)

羽織から名古屋帯

(お太鼓の柄と胴の柄)

お太鼓のポイント柄から垂先と垂境の接ぐ位置を確認し、余分な部分を裁断します。

羽織から名古屋帯

その他も設計図通りに裁断し、ミシンで縫い、つなげてゆきます。

つながったら、標付けをしますが、お太鼓の柄が右側に寄っていますので、左右の縫い代をできるだけ違えて標を付けます。

羽織から名古屋帯

(標付け)

帯芯を入れて完成です。

今回、5カ所継ぎ接ぎし、お仕立代は15,000円(税別、芯代別)でした。柄の位置や大きさ、接ぐ位置、好みなどによって仕立代は変動します。