浴衣の仕立て③

浴衣の仕立て③

先回は、衽納めまで紹介させていただきました。

今回は、裾、立褄からです。

地方によって、くけ幅は変わりますが、浴衣は立褄は約6mm、裾は約1cm上がりの三ッ折りぐけにします。立褄と裾の交点(先端)が褄先で、単衣物は額縁(額縁の角に似ていることから)と言います。

◆浴衣は折り額縁(切り額縁)

浴衣は、「折り額縁(切り額縁)」という方法で作ります。それに対して、ウールや絹物、麻、高級綿地などは「縫い額縁」という方法で縫います。「縫い額縁」については、後日、紹介いたします。

立褄・裾の三ッ折りぐけの折りを付けます。

立褄6mm上がりの場合は、6mm弱の折を付け、そこから6mmの折を付けます。同様に裾も、1cm弱と1cmの折を付けます。内側に折り込むくけ代は、少々折り幅を狭くしておかないと、うまく内側に入らないためです。

裾より2cm弱あがった所で、深さ6mm弱の切り込みを入れます。

立褄側の6mm弱のくけ代を折り・・・・・

6mm幅の部分をさらに折ります。

下の写真の様に対角線を折ります。

裾の1cm弱のくけ代を折ります。

更に、1cmくけ代を折り、身頃にくけ付けます。

脇納め、衽納め、そして裾・立褄の折りぐけは、ミシン糸を使って、くけ付けます。表側に小さな針目を出してくけ付けますが、写真のような2色で染めてある物は、どちらかの色糸でくけ付けますが、くけ目が目立たないようにするのが、プロの仕事です。自画自賛ですが・・(-_-;)

◆浴衣の肩当て

浴衣の肩当ては、原則、共の生地でハート型の物を衿肩廻り(首のあたり)に付けます。布の裁ち切りから4mm程度の所をまわるく折り、共色の糸で綴じ、身頃にくけ付けます。出来上がりの幅は約5cmで、深く切り込みが入っている衿肩明き(衿が付いている背のあたり)の補強の意味があります。反物の長さや身丈などにより、共布の肩当てが取れない場合は、白の新モス(綿の生地)を使用します。

その他の肩当てとしては、肩から袖付け・身八ッ口あたりまで、晒木綿で布幅を使って、大きく付ける肩当てを付ける場合もあります。(お客様のご要望によります)

次に続きます・・・・・・