先回は、単衣の縫い額縁まで説明させていただきました。
肩当てについて
今回は、肩当てと衿について説明させていただきます。
肩当ては、衿肩明きの大きく切った部分を補強する布で、以下のようなものがあります。
・ハート型
私達はこの形が一番多く付けています。浴衣やウールなどの透けない物に付けます。
一昔前の浴衣や透けない単衣物などに多く付けられている形です。これもハート型です。
・三日月
絽や紗など透ける物は、以下のような肩当てがあります。
一番スタンダードな「三日月型」です。
上の写真は長襦袢の三日月布です。
羽織やコートなど透ける生地に付ける長い三日月布です。
◆衿について
原則、女物浴衣はバチ衿ですが、着る方の要望に合わせ広衿にする場合もあります。広衿にする場合、衿裏は生地の素材に合わせて衿裏を用意します。浴衣は新モス、化繊は化繊の衿裏、麻と絹物は絹の衿裏というようにします。
女物着物の広衿の縫製方法は、本衿と裏衿で身頃を挟み、標を合わせて縫い合わせます。本衿を先に付けてから、本衿に掛衿を縫い付けますので(このことを掛衿の別付けと言います)、掛衿が汚れた場合、比較的スムーズに掛衿を外すことができ、掛衿のみの染み抜き等ができます。それに対し浴衣の衿は、掛衿を本衿(地衿)に付けてから、衿付けをします。(掛け衿の束付けと言います)
・その他の衿の種類
女物長襦袢:広衿・バチ衿・広バチ衿・田之助衿 男物・子供物(着物・長襦袢):棒衿