今回から、女物きものの寸法について解説します。きものの下には、長襦袢を着ます。きものの上には羽織やコートを着ます。それらの中心となる寸法が、きものの寸法です。長襦袢の寸法はきものの寸法より少し控えたり、羽織やコートの寸法ではきものより長くしたり、きもの以外の和服の寸法を決めるのに重要な寸法となります。一度、着やすいきもの寸法が決まれば、長襦袢とか羽織なども、その寸法を基に体型やきものにフィットしたものが作れます。
呉服店からの伝票(指示書)に書かれている寸法は、下記の寸法全て指示されているものではなく、身丈や裄などの大まかなものです。身長やヒップなどが、身丈や前幅・後幅などが合っているのか確認の計算をし、その他の細かな寸法を決めます。
きものを縫製するときに必要な基本的な寸法は以下になります。
- 身丈(みたけ)
- 袖丈(そでたけ)
- 裄(ゆき)
- 袖幅(そではば)
- 肩幅(かたはば)
- 袖口明き(そでくちあき)
- 丸み(まるみ)
- 袖付け(そでつけ)
- 身八ッ口(みやつくち)
- 前幅(まえはば)
- 後幅(うしろはば)
- 抱幅(だきはば)
- 衽幅(おくみはば)
- 合褄幅(あいづまはば)
- 衽下がり(おくみさがり)
- 褄下(つました)
- 繰越(くりこし)
- 衿幅(えりはば)
また、上記寸法以外に、私達は見積もりに必要な寸法や、柄を合わせる時や、標を付けるのに必要な下記のような寸法を計算します。
- 標身丈(しるしみたけ)
- 衿丈(えりたけ)
- 剣先合標(けんさきあいじるし)
- 流れ寸法(ながれすんぽう)
- 前身頃の斜め寸法
など・・・・

今まで公開したものも含めて、おさらいになるかもしれませんが、少しずつ解説していこうと思います。